中西印刷株式会社・中西秀彦
―文字と日本人
早稲田大学社会科学総合学術院教授・ 笹原宏之
―顔文字、ギャル文字、間引き文字
電子メディアから生まれた文字
―伝統文化に息づく
江戸文字の世界
―文字で観る歌舞伎、勘亭流
勘亭流家元・二代目荒井三禮門下・
荒井三鯉
― ビラ字から進化した寄席文字
橘流寄席文字・橘右橘
― 勝負の世界を彩る相撲文字
幕内格行司・木村恵之助
―江戸時代の文字絵・絵文字
―脳科学最前線
脳は文字をどう認識するか
東京大学大学院総合文化研究科教授・ 酒井邦嘉
―書き癖から読み解く
筆跡診断
日本筆跡診断士協会会長・森岡恒舟
―シネマの中の文字
「エイゼンシュタインと日本の漢字」
映画評論家・田中千世子
―古代文字を書く
古代文字アーティスト・天遊
―暗号文字
忍びの里に伝わる文字
―日本の活字文化に貢献した
徳川家康
―文字と書体
タイプデザイナー 木村文敏
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ー連載・Dr.神尾の健康快道11
生体内のエベレスト
「腸内フローラ」の旅
落合クリニック院長・神尾重則
ースキンケア講座
潤いのあるプルルンくちびる
人類にとって最大の発明の一つとされる文字。21世紀の現在、地球上には3000種とも5000種ともいわれる言語と、400種にも及ぶ文字の存在が確認されている。
そのうち実際に使用されている文字は約60種、新聞や雑誌など公に使われている現用文字となると、たった28種類。言語の種類の多さに比べて、文字は圧倒的に少ないことに驚く。
その無文字言語の代表ともいえるのが北米の原住民のケースだ。わかっているだけで300ほどの言語があるが固有の文字は少なく、むしろ、「言葉には特別な力がある。言葉は伝えるもの。なぜ、書かなくてはいけないのか」と、文字を持つこと自体に抵抗する人々も多いという。そもそも文字とは何だろう。
はるか古の時代、人や動植物や物を表す記号や絵(ピクトグラム、ヒエログリフ)が発生し、やがて世界各国で各民族の、それぞれの情報を蓄え伝達する手段、技術として、あるいは宗教的、歴史的に、さまざまな形、様式の文字が生まれては消え変化し発展してきた。
日本ではどうかー。
中国から伝わった膨大な漢字を、長い時間をかけて日本人特有の文字に加工し、そこから、精神性豊かなひらがなや、カタカナを生み出した。さらに私たちは日常、ローマ字、アラビア数字・・・・・と多種多様の混在した文字を、ごく当たり前に使用している。
日本ならではの漢字の歴史や、脳科学という新分野からの言語と文字の関係、そして世界の文字にひかれて、未知の国への冒険を続けた日本人の文字ハンター、文化が花開いた江戸時代を象徴するような江戸文字の数々。果ては、神代文字を使った忍びの文字、古代文字の表現に挑むアーティスト、印刷という文字伝達に苦心した意外な人物‥…‥さまざまな側面から、文字文化へのアプローチを試みた。
たとえ入り口がどこであっても、文字の世界は広く深く、謎に満ち、興味が尽きない魅力にあふれている。
そんな一端を、お届けしよう